「…武山…!!」 悲しみと不安が混じった私の声が、あの人に届いた。 すると、懐かしい顔がこっちを振り向き、私はゆっくりあの人の方へ歩き出した。 私には、その10秒ぐらいの時間が、スローモーションのように思えた。 「武山…やんなぁ?」 今度は、少し泣きそうな声で言った。 というより、泣いてたかも知れない。