ろ う そ く


バレンタイン当日、私と絢音と哲陽で、裕史の家に遊びに行った。


絢音にはチョコのこと話してたけど、もちろん哲陽と裕史は知らなかった。





遊びながら、渡すタイミングをはかってたけどなかなか掴めなくて、とうとう帰る時間になってしまった。


そして私は、渡せないまま裕史の家を出た。



「ほんまに、渡さんでいいん?」


絢音が心配して言ってくれる。



「ん~渡したかったけど‥」



「じゃあ、渡しに行こ。」



「うん!!」


絢音のひとことで、その時の私は気持ちに素直になる事ができた。