「チョコ、渡した?」 先輩は思い出したかのように話した。 「いえ、まだです。」 「渡さんでいいん?」 「…いいんです。」 ほんまは渡したいよ。 だけど… 「なんで?」 私は、話した。 小学校の時、好きやった武山を忘れられへん事を。 誰かに聞いてほしくて、そのまま話してしまった。