「裕史、また桜庭のこと泣かしたん?」 そこに来たのは仲間のの保田 哲陽[やすだのりあき]。 裕史より優しい保田は、いつも私をなぐさめてくれた。 「裕史、謝れよ。」 「…ごめん。」 哲陽に言われた裕史は、恥かしそうに私に頭を下げた。 そして、鉛筆を返してくれた。 「ううん。いいよ。」 裕史のことが好きだった私は、それだけで裕史を許してあげたんだ。