学校から家に帰って、買って貰ったばかりの携帯に指を滑らせながら、私は武山にメールをした。 《今日、絢音も行っていい?》 返事は“NO”だった。 じゃあ‥ふたりだけ? 私は、さらにワクワクした。 一番お気に入りの服を着て、お母さんに貰ったリップグロスを慣れない手つきで塗って、歩いて家を出た。 私の家から武山の家までは、ほとんど一直線の道で、すごく近かった。