私に話しかけてきたのは、長澤さんと同じようなイメージの黒縁メガネをかけた、そして私がずっと探していた不破椿さんだった。
「あっ、はい!でもなんでそれを?」
私が探していたのは不破さんだけど、それは言ってないし、なんで知っているのだろう。
『えっと… 確か…… 花巻 飛鳥っていう人が去り際に、すぐにもう一人あなたを訪ねてきますよ、って教えてくれたので。』
なーんだ、あいつ。優しいとこもあるじゃん。
「あ、はい。あの、カン『あの!』」
本題に入り、カンニングのことを聞こうとした瞬間、私の質問は不破さんの大声にかき消されてしまった。
その大声にビクッと肩を震わせていると、こちらを睨みつけるような目で言ってきた。
『カンニングのことですよね。私はしていません。それしか言えません。では、失礼します。』
そう言い捨てると、不破さんは足早に教室を去っていった。不破さんの大声に驚いた生徒もいたのか、去っていった不破さんを心配そうに見つめている生徒や、私を見てなにか噂している人もいた。
これじゃあ完全に私が悪いみたいじゃん、そんな損だ、そう思って私も教室を出た。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.799/img/book/genre1.png)