「えっ!?カンニングなんて、そんな…」

思わず、驚きの声が私の口から飛び出した。

こんなときに、後ろの二人、正確には花巻 飛鳥と諸星 智也は、すごく冷静だ。

智也は動揺することもなくすぐに、結果を見て誰かを特定した。

『4位といったら、この生徒ですかね。

ー不破 椿(Huwa Tsubaki)

でも… この生徒、神崎 乃愛がいなかった二回は、一位なんですよ。そんな生徒がカンニングする必要ってありますかね?』

どこかで聞いた名前かと思ったら、そうだった!

神崎さんのいない二回の期末で、一位の人だったんだ…

私が一人で納得していると、花巻が校長に向かって、話しかけた。

『ではまず本人に、事実確認をします。そしてカンニングを認めたら、なぜカンニングをしたか、理由を聞いて全てが明らかになったら報告致します。』

花巻の言葉に校長は納得したようにして、

『分かった。ただ本人がカンニングを認めた場合には最悪のケースも覚悟しておくこと。またなにかあったら呼ぶぞ。』

校長も焦っているのか、いつもよりも話し方が早くなっていた。

その空気からいち早く抜け出すため、私は失礼しますの一言かけて校長室を出た。