『神崎 乃愛、来てくれたんだね。無事解決して、良かった良かった。』

『そりゃそうだろ。いくら天才でもあんな凄い、というかえげつない結果出されたら、なんも言えねえだろ。』

二人はそう言って、前に進んでいた。智也の優しい言葉に対して、花巻のトゲのある言葉に呆れながら、それでもなんだかんだいって、平和だなと感じた。

違う違う!平和じゃない!聖奈とケンカしてしまったんだよ…

「ねえ、智也!あ、花巻でもいいけどさ。聖奈とケンカしちゃったんだけどさ… どうすればいいと思う?」

二人は振り向くと、花巻は無視してそのまま歩いていった。智也だけが、

『多分、相手も少しすれば仲直りしたい気持ちにかられると思うから、ほっといても大丈夫だと思うけど不安なら、自分から言ってみたらどう?』

と冷静でちゃんとした返事が返ってきた。


「ありがとう!じゃあ聖奈から少し待ってみる。」

私が智也に微笑むと、智也はうんといって花巻に追いついた。


平和な日々がずっと続けば、そう思っているのになんで神様はこんなにも意地悪なんだろう。

最大の悲劇が私たちに襲いかかろうとしていた。