その表情なんて見ずに、林崎くんは弱々しい顔になり
『殺すつもりなんてねぇよ。ただ覚えてて欲しい。あんたのせいで傷ついた人が何人もいるってことを。』
その発言に本庄さんは激怒した。
『つまんねーな。そういう綺麗事とかもういいからさ。本当はどうなの?殺したいほど憎んでるんじゃないの?どうせもうこんな人生、孤独で未来もない。生きている意味もないんだよ。だからさ、君が殺すか私が死ぬか。どっちがいいの?』
追い込むかのように林崎くんに問いかけた。私はその発言に怒りを覚えた。
「人が黙って聞いてると思えば、あんた何なの?未来のことなんてまだ分からないじゃん!あなたはまだ足も動く!なに不自由なく動く!でも林崎くんは違う!あなたのように思うように動かない!あなたはいいじゃない?その足が動いて。」
私はここで一息つくと、また話し始めた。
「確かに今は孤独かもしれない。そんなことは、これからやり直せばいい!これからのことなんてまだ誰にもわからない。それはあなたの生き方次第!
でもね?もう、林崎くんの足は動かない。それは変わりようのない事実。もしあなたが心のどこかで彼に対して罪悪感があるなら、あなたが彼の代わりに生きてあげればいい!生きてその罪を償えばいい。死んで償うのは間違っている。本庄さん、もう強がらなくていいんだよ?」
最後は優しく彼女に問いかけた。そうしたら彼女は今まで我慢していた涙が一気に溢れ出した。
『ふぇっ… ごめんなさい…… ごめんなさい… 林崎くん…』
〜もう取り返しのつかない事態になってしまった彼の身体。その原因は彼なりの不器用な優しさにありました。〜