『そんな… じゃあなんでよ!あんたは学年一の俊足なんでしょ!なら…… なら!刀雅が本気出したって余裕では勝てないでしょう!』
泣いたような怒ったような声で本庄さんは必死で、訴えかけていた。林崎くんも
『そうだな。言い方が悪かった。刀雅が本気を出したらあんなに差は開かない。ただそのことだけは証明したかった。
なあ…本庄?』
ここらへんから林崎君の様子が、少しおかしくなった。
『やった方はすぐに忘れちまうけど、やられた方はいつまでも覚えてるんだよ。』
そう言うとポケットの中からは鋭く光る、鉄のナイフが出てきた。そしてそのナイフを右手に持ち、本庄さんの首に突きつけていた。思わず、上原くんたちの方を見ると呆然と立ち尽くすだけで何の言葉も発することはなかった。
一方でナイフを突きつけられている本庄さんは、笑いながら
『アハハハハ!べつにね!私、死への恐怖ってもうないの!彼氏は失い、友人も失い、いじめられ、そんな私の生き甲斐ってなに?殺せばいいじゃない!その代わりあなたも私と同じ人殺しよ。』
本庄さんの表情は勝ち誇っているようにも見えた。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.807/img/book/genre1.png)