二人はまさかといった顔をしていた。二人の準備を待たずして、諸星の後ろから出てきたのは紛れもなく写真で見た、林崎 カイで。でもその身体は俊足時代の強そうな身体ではなくて、弱々しい車椅子姿の 林崎 カイだった。
『いやー、ビックリしたな。朝目が覚めたらいきなりこの二人に連れられてきたんだからな。』
朝言ってた準備ってこのことだったのか。偶然、今日目覚めたの!?すごい奇跡。2人も同じように感動していたのも束の間、林崎くんは無言で車椅子を押して本庄さんに近寄った。そして、
『俺…… 辛かったよ。お前に傷つけられて… なんで俺がって… ねえ…… なんで?』
その目からは涙が出ていて、本庄さんもこの状況ではなにも言えずに俯いた。本庄さんのかわりに、花巻が口を開き話し始めた。
『俺らは3組が林崎 カイが、勝利に大きく貢献した体育祭を機にいじめられた話を聞いて、原因はその体育祭にあることを睨んだ。』
花巻はそこでひと段落おいてから、また話し始めた。
『そして金森が目撃した本庄の鞄の中に入っていた、切り裂かれた元カレの写真。そこが一番大事なところだった。そう思って調べてみたら案の定出てきたよ。林崎の一連があった直後に他校に転校した生徒がな。』
待って待って、そこまで聞いてないんだけど。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.806/img/book/genre1.png)