今にも泣き出しそうな声を振り絞りながら、話してくれた。
『……見つかった…見つかったんだよ…真子という悪魔に…真子はそれを見つけた瞬間に、何かが吹っ切れたかのように怒り出した。でも今回は、不思議とカイには手を下さなかった。』
じゃあ…どうして……?
『昼休み。カイは何かに導かれるかのように、どこかへと向かった。クラスのほぼ全員が、上原たちの提案で着いて行くことにした。
ここで俺以外の数人も気づいたんだ。カイは、屋上に向かっていて自殺しようとしていることに。屋上のドアは、カイがドアを閉めてしまっていて開かなかった。』
そんな… じゃあ、林崎くんはそのまま死んでしまったの…?
「そんな… じゃあ林崎くんはそのまま…?」
聞きにくい質問をしたな、と感じながら答えを待っていると『いや』と続けた。
『ドア越しに、彼は最期の言葉をくれたよ。風邪ひとつ吹いていなかったから、綺麗に聞こえた。時々開く間では、何かを書いている音が聞こえてきた。カイは強く生きろ、負けるな、そう言い残して飛び降りた。』
最後まで頑張ったカイくんが、一番強かったのかもしれない…
『先生が鍵を持ってきたのは、もうしばらくしてからで。先生は最初、もう一つの出入り口から出たとか言っていたけど、畑の上に落ちた紛れもなく、カイのからだを見た瞬間、焦り始めた。慌てて、救急車を呼んだ。』
それでカイくんは、助かったの?
「その後は…?」



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.801/img/book/genre1.png)