『好きだ!
だから!
華は死ぬなよ!』


気づけば花巻が私を包み込んでいて、花巻の体温が私に伝わってきた。


「はな… 飛鳥?」

「私もね、案外好きだよ、飛鳥のこと。
ツンデレなところとかさ。でも、」


飛鳥の肩を優しく手で押した。


「その期待には応えられない。ごめん。
私ね、恋と友情なら友情を選ぶんだ。恋は一生は保証されていない。けれど、友情は一生分の保証がされている。壊れたって修復ができる。頑張ればいくらだって。
だからさ、私は私のせいで死んだ聖奈をえらぶ。ごめんね。」






そう言って、私は勢いよくその身を空中に沈めた。


ごめんね、お母さん、聖奈、飛鳥、智也。


みんなの望んでいた正義とは少し違ったかもしれない。


でもこれが最低限の償いだよ。