花巻から呼び捨てで呼ばれたことに私は衝撃を受けていた。
『お前だけは死ぬな!
頼むから死なないでくれよ!』
「え?」
『もう俺の好きなヤツにはいなくなってほしくない……
頼むから死なないでくれよ!』
好きなヤツ…. いなくなる?
「ちょっとまって… どういうこと?」
隣に立っていた智也が花巻の顔を伺いながら、過去に何があったのか話してくれた。
『飛鳥の彼女はだれかに殺されたんだ。』
不破さんも救急車を呼びながら、咄嗟に後ろを振り向き驚いていた。
その横で花巻は哀しそうな目をしながら話し始めた。
『愛されてたけど愛せなかった。
それが原因だったんだ。女が嫉妬して殺した。夕方だった。帰ってきたら死んでいた。』
花巻に恋をした人が花巻の彼女を殺したってこと。
『愛はときに刃物よりも強い凶器となるんだ。』



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)