【完】ライト・アンサー 〜正義が正しい答えとは限らない〜



そのカッターは私ではなく、聖奈のお腹付近に刺さっていた。


私は急いで聖奈の肩に手を回して、床に落ちるのを防いだ。出血しているのにも関わらず、聖奈はつらそうにしながら、話そうとしている。


『ねぇ、華……?
華は…、 華が思う正義を…… 貫けば…いいんだからね……!』


「ねぇ、聖奈!もう話さなくていいから!ね?」


『そ…れが、きっと……正し…い……か………ら…… 』


聖奈はそう言うと、一瞬ニコッと笑って、首をダランとさせて目を閉じた。


「聖奈…? 聖奈…… 聖奈、聖奈!」


『聖奈ちゃん?しっかりして!』


『桜田?大丈夫か?おい!桜田!』


その悲しすぎる現実を頭は理解しようとしていなかった。


『あんたのせいで死んだよ?あんたを守ろうとして。死に損ないさん。』


殺しの犯人である長澤杏奈を見上げると、こっちを挑発するような目で言ってきた。


『あ?ざけんなよ!
オメーのせいだろ!』


その言葉に返事したのは、私ではなく花巻だった。