3分間、大勢の攻撃から避けているはずのふたりなのに、二人の息は全く切れていなかった。
終了までの時間は、刻一刻と迫ってきていた。そしてついに、
「3・2・1・
終了!」
その言葉で34人は倒れこんだが、二人は手をパンパンと叩いて、話していた。17人がかりでも手一本も触れさせない一人って、どんだけ力があるんだよ…
花巻くんは、コソッと諸星くんに耳打ちした。その言葉に諸星くんは納得をしたのか、手を叩き指をさした。
そしてついに花巻くんが、口を開いた。
『あの多分、この中の誰よりも強いのはこれに参加していない、金森華さんだと思いますよ。』
え……?私?
いやいや、やめてくださいよ。別に、強くないし。
そんなことを一人で考えていると、いきなり花巻くんはこちらに走り出してきた。
え?まって!なに?
私との距離が近くなっていると、花巻くんは私に向かって拳を振り上げた。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)