『じゃあそろそろ行こっかな。大丈夫?』
きっと智也は、私が何度も自然に笑えているところを見て、帰ることを決めたのだろう。
「うん、大丈夫だよ!いつもいつも、助けてくれて本当にありがとね!
明日頑張ろうね!」
その言葉をかけると智也は、ああ、と言って、自分の手を思い切りパーにして出してきた。一瞬、その行為に戸惑ったが、その意味を私はすぐに理解した。
パチンッ
私たちは約束、そして決意のハイタッチを交わした。
そして決意したように、智也は口を開いた。
『どんな理由があろうと悪は悪。正義はその悪を無くす義務がある。
頑張ろうな。』
口元が上がり、ニヤリと笑って、こちらを見た。そしてなにも言わずに、部屋の扉を開けて、智也は私の部屋を出て行った。
「当たり前でしょ。
お母さんと約束したんだから。」
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誰もいなくなった部屋で一人、
智也への返事を呟いた。
しばらく一人でボーッとしていたが、私はあることに気づいた。
お腹が空いた。ただそれだけのことに。
元は、お腹が空いて、ご飯を買うために徒歩でコンビニに行き、着いたところで、路地裏に連れられ、殴られて意識を失った。
てことは、私まだ食べる以前に、買ってすらない!
どうしよう……



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.797/img/book/genre1.png)