『“命が欲しけりゃ” をなめない方がいいかもしれないな。殴って意識を失わせるってことは、相手も結構本気だぞ?
どうする?辞めるか?』
脅すようにニヤッと笑ってきた花巻。彼には〝死〟に対しての怖さがないのだろうか。いや冷酷な彼のことだから、怖さのかけらもないのだろう。
そんな冷酷な花巻に私は一言、言い返してやった。
「で、でも!だからといって手を引くわけにはいかないよ!」
花巻は私からの予想外の言葉が返ってきたことに驚いたのか、
『お前、命はない、って脅されてんだぞ?お前は怖くないのか?』
まだまだ余裕そうに、そしてまたお決まりの怪しい笑みを浮かべて、聞いてきた。さすがの私もそれには若干ビビった。
「そりゃ、怖いよ!怖いに決まってんじゃん!でもお母さんと約束したんだもん!悪にかならず勝つって。
お母さん言ってたから!
〝正義は必ず悪に勝つ〟って言ってた!だから私はそれを信じるよ!」
花巻を黙らせるため、私の思いを嘘つかず全て正直に告げた。花巻も呆れたようにして、
『勝手にしろ。命は保証しないからな。』
そう言うと、一人で部屋を出て行ってしまった。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.797/img/book/genre1.png)