「ありがと…… 本当にありがとう… そしていつも迷惑かけてごめんなさいっ!」
私がガバッと勢いよく起き上がって、勢いよく頭をさげると、智也は驚いたのか焦ったのか、慌てて私の頭を上げた。
『謝らなくても大丈夫!
ただ路地裏で倒れてるなんてなにがあったの?見つけたときは心配したよ?』
そこで私は思い出した。誰かに殴られて、意識を失ったってことを。
「夜ご飯を買いにコンビニに行ったの。そうしたらいきなり誰かに路地裏に連れ込まれて、殴られたの。それで去り際に “命が欲しかったら、不破椿の件からは手を引け” って脅されて。それでそのまま意識を失ったの。」
思い出すだけでも、手が震えてきた。それを見た智也が、
『そっか…… 怖かったよね… 大丈夫だった?』
智也に手を握られて、手を握ってくれたお母さんの記憶が蘇る。お母さんの感触とはかけ離れているけど、それでも人から手を握られるのは安心した。
後ろにいた花巻は、ため息をつきながら言葉を発した。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.797/img/book/genre1.png)