「ふう〜、やっとついたー!
意外と時間かかるんだなー…… 」
コンビニの前でそう呟いた。家からあまり距離がなさそうに思えたコンビニに来るのに、徒歩10分。
コンビニに入ろうとすると、背後から何者かに口を塞がれた。そしてそのまま、路地裏に引っ張られた。手をバタつかせて、必死で抵抗するも、私の力じゃ全く及ばなかった。
「んんんんーーー!!」
後ろにある壁に叩きつけられ、やっと男の顔が見えた。サングラスをかけていて、バンダナのようなものをつけている。その隙間から見えた特徴は、結構年老いていたことくらいだ。
もっと特徴的なことを、と思っても、場所は路地裏の暗闇。
見えるはずがない。
そんなことを考えていると、顔に一発、そしてお腹に一発、男のゴツゴツした拳がこちらにやってきた。
『命が欲しけりゃ、不破椿の一件からは手を引け。じゃなけりゃ、今度こそ命はないぞ。』
その男は私に脅迫めいた言葉を残して、暗闇へと去っていった。
お腹の痛みが私をフラフラっと倒れそうにさせる。
バタンッ
口の中に残る、血の味が私の意識の最後だった。



![【完】[短編]君の隣には彼がいるけど僕の上には君しかいない。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.797/img/book/genre1.png)