あたしは、ずっと奏斗が好きだった。
昔から素っ気なかった奏斗。挨拶に来てくれた日もまともに顔なんて見てくれなくて。
でも、学校が一緒になって初めて放課後一緒に帰った日。
『智香、、だな。俺、これからお前の事そう呼ぶ。』
『、、う、うん!じゃあ、奏斗ってあたしも呼ぶね。』
『おう。』
そして、初めて笑った奏斗。
その時からあたしはあなたに恋をした。
「おーい。智香、戻ってこい。」
そう呼ばれ気づけば奏斗の顔が目の前にあった。
昔と変わらない切れ長の二重の目。スッと通った鼻。最近染めたダークブラウンのサラサラな髪が風になびいている。
「、、もう、邪魔!早く行くよ。」
あたしは、顔に熱が集まって赤くなっているのを見られたくなくて一足先を歩く。
