「夜ってこんなに静かなんだね。」
「あぁ、だけどこの静けさが落ち着くんだよ。」
そう、壁に人一人分の距離を開けて寄りかかりながら座って話しているあたし達。
「智香って俺の知ってる誰かに似てる気がすんだよ。、、誰か俺の大切な、、忘れてはならない人。」
「あたしに、似てる?」
「あぁ。、、まぁ、勘違いかもしんねぇけど。」
彼は微笑みながらそう言った。
「ふ〜ん」
深く考えてなかったあたし。
まさか、それがあたしの心を苦しめるなんて。
思わなかったよ。
スマホを取り出して時間を見ると夜の8時。
別に、家であたしを心配してくれる人なんていないし、、
「、、それ何?」
と、あたしの手元を見るユウト。
「コレ?、、あっそっか。ユーレイだから知らないか。これは、スマホって言って、携帯みたいなもん。ゲームとか、電話とかアプリとかできるの。」
「へー。」
「なんか、おっさん臭い。」
「、、まぁ、お前よりおっさんなのは間違いねぇよ。」
「え、でも見た目は同い年っぽそうだけど。」
「まぁ、今は、高3ぐらいだな。」
やっぱり。
だけど、先輩なんだ。
なんか、複雑、、
「そっか、、なんか、眠くなってきた。まだ、8時なのに。暗いからかな?」
「寝たら?明日、早く学校出て家帰んないとだろ?明るくなったら起こすから。」
「うん。、、おやすみ。」
そして、あたしは学校の図書室で初めて眠った。
