「ねぇ、、、ユウトはさぁ、ここから出ることできないの?」
「何回か出ようとしたけど、図書室の窓とかは開けられてもそれ以上は進むことできない。」

なんで、ユーレイになったかは聞けなかった。
気まずいじゃん。

「智香、帰らなくて大丈夫かよ。もう、遅い時間だけど。」
「えっ、、あっそうか。だけど、いいの?1人でいて寂しくない?」
「今まで1人だったからどうってことない。、、何?心配してくれたの?」

そう言ってあたしに近づいた彼。
152㎝のあたしと頭2個分の彼。
そして、あたしに目線を合わせた。

「べ、別に。」

あたしは、無意識にユウトを心配していたのかもしれない。

「智香って優しんだな。」

そして、あたしの頭を撫でた。
瞳をずっと見てるとその曇りがない瞳に吸い込まれてしまいそうで。それに今まで見たことのない美しさの男の子。そんな人に見つめられたら誰だって顔が上昇する。

「そんな事、、ないよ。」

だけど、どうしても目に少しかかっている前髪が勿体無くて。

「あっ、、ユウト。、、」

そして、あたしはカバンからヘアピンを取り出した。

「ちょっと膝曲げて。、、」

そして、腕を伸ばして彼の前髪にヘアピンをとめる。

「うん。オッケー。前見やすいでしょう?」
「あぁ、ありがとう。」

そして、微笑んでくれた。

「じゃあ、あたし帰る。、、お腹すくでしょう?朝だけど持ってきてあげる。じゃあ、明日ね。」
「ありがとう。気をつけて帰れよ。」

そして、真っ暗な廊下に出た。
だけど、真っ暗すぎて、、、

「ねぇ!無理!」

怖くて図書室に戻ってきた。
朝まで、幽霊なんていないって思ってたのに。

「子供か。」
「だって、ユーレイとかきたらどうするわけ?」
「俺は、ユーレイだって。」
「、、っ、まぁ、そうだけど。、、とりあえず怖いから!」

人じゃないからここまで素直になれるのかもしれない。

「じゃあ、明け方になって明るくなってきたら帰ったら。俺、こっから出れねぇから送ってけねぇんだよ。」
「うん、、そうする。」