「…」

「彩ちゃん?」


その様子を黙って見つめていると、「おーい」と友梨奈ちゃんが私を呼んだ。


「あ、ごめん…何?」

「ん〜?呼んだだけ!あは!」

「そ、そっか…ァハハハ…ハハ…ハ…」


呼んだだけって…なんだそれ 笑


友梨奈ちゃんの言葉に私は苦笑するしかなかった。



─キーンコーンカーンコーン────


あ、次は英語か


「じゃ!また来るね!」

と一言言ってもどった友梨奈ちゃん。



「あ、教科書…」


まだ、渡されてない…
この学校って、結構珍しくない?
机ないし、教科書渡されないし…


1人で、心の中で文句を言ってたら前の方から「おい」と聞こえた


ん?と前を見たら、バチッと篠井君と目があったと同時にドキッとした


「な、なにか?」

「はい、教科書…」


と教科書を受け取る。


「…教科書ないなら言え」

「え?」


ありがとうと返そうとしたらいきなり変なことを言い出してきた



「えと…」

「ない時はいつでも返してやるから。」


だから、言え と上から目線のような発言にドキドキした


「ありがとうございます!」

「雫華月!静かに!」

「す、すみまへん!」


と思いっきり立ち上がって礼をしたら、その勢いで椅子が倒れそうになったのを間一髪元に戻したが、自分が倒れてしまった。


嬉しすぎてついおっきな声が出しちゃったし、すみま"へん"ってバカか!
椅子のために倒れたなんって…恥しい!



教室中が ドッ と笑いに溢れた。
先生まで笑っていた。


笑われて、顔がだんだん赤くなっていくの
が分かるくらい、熱くなっていた