あ、あと5分しかない早く解放させてもらわないと


名前を呼ばれてテンションupし続ける友梨菜ちゃんにもう1度呼んでみた


「友梨菜ちゃん、そろそろ手を離してもらっていいかな?」

「ほえ?あ、ごめんね!つい!」


パッと離されて開放された手。


ふぅ〜、


授業の準備をしようとしたけど、友梨菜ちゃんは動きそうにない。


そろそろ、始まっちゃうから言った方がいいよね



「友梨菜ちゃ…」

「おい友梨、早く席につけ、始まるぞ」



篠井君によって遮られたら


んん?友梨ってもしかして友梨菜ちゃんの事?


「あ!ホントだ!彩ちゃんあとでね!!!」

「あ、うん」


友梨菜ちゃんが席についた時に教科担当の先生が入ってきた。


「起立、礼」

「「お願いします」」


あ、教科書まだ貰ってない!!!
先生に言おうかな、でも、忘れ物したみたいだし。
ううん。今日来たばっかだから大丈夫だよね?


そう意を決して手をあげようとしたら


「…」

「…ん?」


隣から教科書を私に向けて私を見ている


これは?どーいう意味かな?


よく分からなくて、首を傾げてみれば


「…教科書ないだろ?貸してやるよ」

「…っあ、ありがとう」


教科書を受け取る時少し触れた指にドキッと心臓が鳴った


なんでドキドキ…してるのかな?
もしかして…ううん!ないない!それはない!
イケメンな人にこんな事されてドキドキしない訳ないよね?!
うんうん!そ〜だよね!


自分にそう言い聞かせながら1人で納得していた