「ってことで、HRは終わりだ!頑張れよ〜」
と言って教室から先生が出ていくと私の所へ女の子が来た
「やほ〜!私、友梨菜《ユリナ》って言うの!よろしくね!」
「…よろしく」
私の前の席に座って、私のことを凝視してきた。
何かついてるのかな?
私も友梨菜ちゃんを凝視し続けた
「…彩ちゃんって…」
「…ん?」
続きを言わず、まだまだ凝視してくる友梨菜ちゃん。
続きを言ってくれなくて気になってしょうがないんですけど〜?
しかも、彩ちゃんって。
ずーーーーーっと無表情でじーーーーっと見てくるから聞え返そうとしたら
「…超綺麗!!」
「へ?」
いきなり、パァ〜っと目を輝かせている彼女に拍子抜け。
「き、綺麗?」
「そそそそそそ!」
と言って私の手を思いっきり握手みたいにブンブン振ってくる
いや、どこが?
ってか、友梨菜ちゃんの方が可愛いから
自分のどこが綺麗なのかさっぱり。
「えーっと、ありがとう?」
「うんうん」
「あの、ど…」
「全部!」
どこがと言い終わる前に即答される。
「へ、へぇ〜」
「うんうん」
君の「うんうん」って「♪」が語尾につきそうなくらい機嫌いいですね〜
「なんか、キラキラ〜みたいな、サラサラ〜みたいな!」
「そ、そ〜なんだ」
よく分からない説明を受けて苦笑してしまう
それにしても、いつになったら、手が解放されるのかな?
さっきから、ずーーっと私の手を振っていて、まだまだ解放されそうにない。
「友梨菜ちゃん?て、手を…」
「あ!名前で呼ばれちゃった〜!キャ-」
解放しようと思って呼んだんだけど、今度はさっきよりもブンブン振りながら、足までばたつかせ始めた。


