「今日はこのクラスに転校生が来てる」


私、雫華月 彩心 《ナカズキ アヤネ》は、親の都合で桜本学園へ転校することになり、今に至る。



私を信じてくれる…本当の友達できるかな



あまり、緊張しない私だけど、転入生ときたら、すこし…いや、かなり緊張している。
ドクドクと胸の奥で鳴り響きながら、教室の前で待っていると



「雫華月、入ってこい」



ガラッ




先生が黒板に私の名前を書いて行く




自己紹介とかするのかな



「っと、今日からここのクラスに通う雫華月 彩心だ。自己紹介頼む」

「あ、はい」


やっぱりするのか



「…宜しくお願いします」


こんなもんかな?


「じゃ〜、お前の席は…そっかまだ用意してなかったか」

「…え」


今日来るって知ってたのに用意してないとか、こんな学校あるんだね


「…よし!今日は篠井《シノイ》の隣に座っといてくれ!」

「せんせ〜、そこ優美《ユミ》の席だよ〜」

「今日、休むらしいから良いだろ、1日ぐらい。な?」

「…」


な?ってなんで私に振るの。


「今日はそこに座っとけ、明日には用意するから」

「…はい」


って、篠井の隣って言ってたけど、篠井って誰?


教卓の隣で立ってると



「どうした、雫華月?」

「…篠井さんって誰か分からなくて」

「…」


一瞬しーーーんと静まり返った


私、変な事言ったかな?言ってないよね?初めて来たし、誰かわからなくて当然だよね?


みんなの表情を見たら、嘘だろ?!って顔していた。
1人以外。



なんで、そんな顔するの



1人であれこれ焦ってると


「…あ、えっと、窓際の席の3列目にいる人だよ」

「…あ、はい」