お互いあまり話も弾まずとぼとぼ歩いていた。
時々、肩と肩が触れ合う。
そんな小さなことでさえドキドキしていた真理。
何か話題を見つけなきゃと必死で考えていたら、
「なぁ、東堂さんって好きな人とかいる?」
突然柊くんに聞かれドキッとした。
「えっ・・・。あ、い・・・いないよ。」
つい、嘘をついてしまった・・・。
「そうなんだ・・・。」
「そういう柊くんはいないの?好きな人。」
「いるよ・・・。最初は何とも思わなかったんだけどね。でも知らないうちに目で追うようになって・・・。多分、一目惚れだったんだろうな。」
