そして、電車を乗り継ぎ、高校の最寄り駅に着いた時、私の内心はワクワク感が増していた。


だって、いつも悠真が歩いている場所や、通っている高校に行けるのだから。


駅から出た後も、悠真は私の手を握ったままだった。


見られるのはちょっぴり恥ずかしいけど、なんだか嬉しいな。


悠真と話をしながら道を歩いていると、あっという間に高校に着いた。


悠真が通っている高校は、とても大きくて綺麗だった。


「ねぇ、ここはどんなところなの?」


「どんな、かぁ……まあ、ここが勉強するところっていうのは栞もわかっていると思うけど」


「そのくらいわかるもん。この学校はどういうところなのか聞きたかったの!」


「そうだな……ここ、結構偏差値は高いけど、そんなお堅いとこじゃなくて、むしろ生徒みんなノリがいいところだよ」


「そうなんだ。……ねぇ、悠真は学校、楽しい?」


「なに?唐突に。……うん。すごく楽しいよ。友達がいて、クラスメイトがいて、面白い先生もいて」


「そっか。よかった、悠真、本当に楽しそう。顔が優しくなってるもん」


学校のことを話している間の悠真は、本当に楽しそうで、優しい顔をしてる。


それなら、何も心配はいらないね。