約束してくれた翌日に、悠真は学園祭の時のチケットを持ってきてくれた。


その時、悠真は少し申し訳なさそうにして、言った。


「栞、僕昨日電話してたでしょ?」


「うん。悠真が言い争いなんて珍しいなって思ってたから覚えてるよ」


「あはは。でね、その時にそろそろ準備手伝えって言われちゃってね」


「え?悠真準備手伝ってなかったの?」


「うん。あの時は栞に早く会いたかったしね」


あの時っていうのは言われなくたってわかる。


私が、話があるって呼び出した時。


「そっか。でも、準備はちゃんと手伝わないとね」


「うん。だからこれから少しの間、栞に会いに来る頻度が減るかも。学園祭はもう来週だから、泊まり込まないといけなくなるかもしれないし」


「そうなんだ。私、学園祭がすっごく楽しみなんだ。だから頑張ってね」


悠真に会えないのは少し寂しいけど、贅沢いえないよ。


「うん。でも、毎日来れなくなるかもしれないだけで、会いに行かないわけじゃないからそんなに寂しそうにしないでね」


「……わかる?」


「もちろん。栞のことならなんだってわかるよ」


茶化すように、悠真はそう言った。


それが少しおかしくて、笑ってしまった。


「ふふ……うん。待ってるね」