残りの3ヶ月を一緒に過ごそうって言ってくれた後、悠真は直接夜先生に話をしていた。


内容はもちろん、私の外出許可をとることだ。


夜先生は最初は渋っていたようだけれど、私たちが本気だと知り、条件付きで許可してくれた。


条件というのは、無理をしないこと。


それと、異変を感じたらすぐに連絡することだった。


私たちはもちろん二つ返事で了承した。


それから、屋上のベンチに座って悠真と一緒にどこへ行くか相談したのだけど、悠真が思い出したように言いだした。


「それなら、もう少ししたら僕の学校で学園祭があるんだ。チケットがないと入れないようになっているから、そこまで人は多くならないはずだよ」


「悠真の学校!?行きたい!!悠真が普段過ごしているところに行って見たいな」


悠真に詰め寄る勢いでそう行った私に、悠真は苦笑いして返した。


「なら、チケットは貰っておくね。当日、僕の友達も紹介するよ」


「いいの?悠真が学校だとどんな感じなのか聞いて見たいなぁ」


「それは少し恥ずかしいかな……」


照れて頰を掻いた悠真は、ふと思い出して、私に電話をしてもいいかと聞いてくる。


私はもちろん、いいと伝えた。


悠真は私から少し離れて、電話をかけた。


しばらくして、電話に出た相手と始めから言い合いをしていた。


そんな悠真が珍しくて、少し笑ってしまった。


そして、数分がたち、電話を終えた悠真が戻ってくる。


「はぁ……ほんとあいつと電話すると疲れる……」


「ふふ、仲いいんだね」


「仲いいの、かな?」


「うん。喧嘩ができるって、とても仲がいい間柄だと私は思うんだよね」


私には、そういう友達がいたことがあまりなかったからね。


「まあ、そうかもね。あ、そういえば栞の分のチケット取れたよ。明日貰ってくるね」


「何から何までありがとう」


「いいの、気にしないで。栞が僕の学校に来るの楽しみなんだから」


「私も、悠真の学校に行くの楽しみだなぁ」


そう言って、私たちは笑い合う。


こんな幸せな時間がいつまでも続けばいいのに。


叶うはずがないけれど、私は強くそう思っていた。