もしかして…




帆乃華さんの、大きな悩みって…



そういうことだったの?




でも、人には分からない悩みを抱える。





悩みを抱えて、苦しまない人なんていないよね。






「遥香ちゃん、ありがとう。



それから、本当にごめんなさい。」







「ほら、帆乃華。


自分の病室に戻るわよ。」







「はい。


遥香ちゃん、明日も来てくれる?」





帆乃華さんは、やっと前みたいな優しい表情に変わった。




「もちろんです。」







「待ってるから。」







私は、久々に帆乃華さんの笑顔を見ることが出来た。






「ばいばい。」





手を振って、帆乃華さんは私の病室を後にした。







「遥香!」






尊は、私のことを強く抱きしめた。







「遥香!


本当、無理ばっかりするなよ。


自分から、煙に飛び込んだらどうなるか分かってるだろう!?


いつも言ってるけど、自分の身体を大切にしろよ!」







「ごめんなさい…本当にごめんなさい。」







「でも…。よく頑張ったな。」






「えっ?」





「こんなに小さい身体まで張って。



よく頑張った。」





「尊、ありがとう。」







「俺、遥香のこと幸せにするから。」







「今も、十分幸せだよ。」






「今よりもだよ。」






「期待してる。」






「あぁ。うざいくらい愛してやるから。


ほら、もう遅いから眠りな。」






「うん。」






私は、手に尊の温もりを感じながら深い眠りについた。