LOVE物語3

「帆乃華さん、ＣＯＰＤって…どうして？」



「…実はな、真白さんの家はちょっと複雑なんだ。それで、精神的に病んで精神科へ入院した。1度は、帰宅したんだけど家庭内のストレスが真白さんに降り掛かってね。そのストレスを喫煙で紛らわせていたらしいんだ。それで、ＣＯＰＤに。」





「そう…だったんだ。」





「本当は、遥香に当てることを拒否したんだ。煙草の臭いだってまだ残ってる。その臭いが遥香の発作に繋がるかもしれないって考えて。


けど、何か分かるかもしれないって。」





「え？」






「真白さん、もしかしたら今目の前にある壁を乗り越えようとしているのかもな。だから、そんな複雑な家庭にいる真白さんと、過去に立ち向かって乗り越えた遥香なら、何かヒントをあげられるんじゃないかって。」




「…私、そんなことできるかな…？」





「そうだな…。難しいことは考えなくていい。遥香が、思うように動けばいい。きっと、遥香は真白さんの気持ちが分かるかもしれない。上手いことを言おうとしなくていい。



大切なのは、心で聴いて相手の話をちゃんと受け止めることだよ。」





尊は、そういうと優しく微笑んでから私を抱き寄せた。





「尊。私、頑張る。」




「あぁ。遥香ならきっと大丈夫だよ。」



こんなとき、尊は私に『頑張れ』という言葉は使わない。




『頑張れ』という言葉は、少しプレッシャーになってしまう。




だから、『大丈夫』っていう言葉が、今の私には1番安心できる言葉だった。