LOVE物語3

ーside尊ー

外来の診察をしていると、プライベート用の携帯が鳴った。



「はい。」



「尊先生!遥香が!」



俺に電話をかけてきたのは、千尋ちゃんだった。



「千尋ちゃん、遥香に何があった。」





慌てる千尋ちゃんに、なるべく落ち着いてもらえるように質問を始めた。




「それが、遥香。喘息の発作を起こして、少し熱もあるみたいなんです。それで、教室から医務室へ運ぶ時、1時限目を受け持った講師の先生に、抱き上げられたんですけど、それが遥香には怖かったらしくて、そのあまりに意識を手放してしまいました。」





千尋ちゃんは、1つ1つ丁寧に遥香に起きたことを話してくれた。




さすがにまだ、俺以外の誰かに抱き上げられることは怖いよな。




講師は、きっと遥香に何があったのか知らないから、責めたりはできない。



だけど、怖がる遥香を見て、どうして千尋ちゃんか大翔君と交代しなかったのだろうか。




いや、今はそんなことより遥香を迎えに行こう。




俺は、残りの患者さんを朝陽に任せて、診察室を後にした。