千佳は毎日ノートを届けてくれた何くれとなく、世話を焼いてくれた。

「大変だったね」「お母さん痛くなかったかな」「たぶん苦しまずに死んだんだよ」

そのころのたぶんこんな会話だったと思う。

小さい頃のことだから記憶があやふや。

「俊早くしなさい」ガラッと奥の部屋の戸が開いて俊が出てきた。

「この間遅刻したでしょ」「怒られるよまた、ペナルテイつくんでしょ」「うん」「じゃあわかってるなら、早くしなさい。」


俊を追い出してから、やっと自分の時間。今はもう私も高校3年生来年は受験だ、たぶんお金がないから奨学金で、大学に行くと思う。

お父さんは工場の仕事を毎日やってて、そんな大学行きたいなんてことは言いだせない。

幸い、学業だけは頑張ってきた。だから奨学金で行く予定してるんだ・・・


希望は大輔と一緒の慶応大学、また一緒のキャンパスで学ぶ予定してるんだ。


大輔も成績は良くてクラスで1番か2番をいつも私とせってる。


そして、一緒の大学にひそかに行こうと思ってる私。


この間の、三者面談の帰りに希望校をチャンとぬかりなく聞いたんだ。


本当に行けるといいなと想ってる。


そしたら小、中、高と一緒で大学まで一緒何年一緒にいたんだろう彼と。


いつも私は一緒だった彼に何度とノートを借りたことか、古文とか難しいときはノートを借りたりした。