二日前。
部活後、花梨と昇降口に向かっている時のことだった。
いつもよりだいぶ帰り支度が遅くなって、多分私達が最後だったんだと思う。
校内はしんっと静まり返り、薄暗く、人の気配がない学校はやけに不気味だった。
なんとなく怖くて足早に昇降口に向かっていると、突然花梨が足を止めた。
「ねぇ、声聞こえない?」
「え?声?」
神妙な面持ちの花梨。
ヤダ…おばけとかじゃないよね……
背筋がぞくぞくする。
花梨の腕をギュッと握って耳を澄ませてみると、人気がない三年生の教室から微かに声が聞こえた。
女の人のすすり泣く声だと思う。
それから、低い男の人の声。
とりあえずおばけとかじゃなさそう。
ホッとしたのもつかの間、ガラッと勢いよく教室のドアが開いた。
隠れる暇なんてなかった。
教室から険しい顔をした葉山が出てきて、私に気付くと大きく目を見開いた。
まさか葉山が出て来るとは思ってなかった私も、葉山と同じような顔をしてると思う。
頭の中なんて真っ白だ。
「あ……」と開きっぱなしの口から声が漏れると、葉山も何か言いたげに口を開いた。
だけど、すぐに唇を噛むように閉じて、気まずそうにふいっと視線を逸らすと昇降口に消えていった。
「ねぇ、今の声葉山だったってことはさ、女の人は……」
花梨が教室の方に視線を送りながら言う。
多分…というか、絶対もう一人の声は渡先輩だ。
泣いてるところからすると、喧嘩とかしてたんだと思う。
でも、渡先輩が教室から出て来る気配はない。
もうあと数分で完全下校時間になる。
早く帰らないと、先生に見つかったら大目玉だ。
部活後、花梨と昇降口に向かっている時のことだった。
いつもよりだいぶ帰り支度が遅くなって、多分私達が最後だったんだと思う。
校内はしんっと静まり返り、薄暗く、人の気配がない学校はやけに不気味だった。
なんとなく怖くて足早に昇降口に向かっていると、突然花梨が足を止めた。
「ねぇ、声聞こえない?」
「え?声?」
神妙な面持ちの花梨。
ヤダ…おばけとかじゃないよね……
背筋がぞくぞくする。
花梨の腕をギュッと握って耳を澄ませてみると、人気がない三年生の教室から微かに声が聞こえた。
女の人のすすり泣く声だと思う。
それから、低い男の人の声。
とりあえずおばけとかじゃなさそう。
ホッとしたのもつかの間、ガラッと勢いよく教室のドアが開いた。
隠れる暇なんてなかった。
教室から険しい顔をした葉山が出てきて、私に気付くと大きく目を見開いた。
まさか葉山が出て来るとは思ってなかった私も、葉山と同じような顔をしてると思う。
頭の中なんて真っ白だ。
「あ……」と開きっぱなしの口から声が漏れると、葉山も何か言いたげに口を開いた。
だけど、すぐに唇を噛むように閉じて、気まずそうにふいっと視線を逸らすと昇降口に消えていった。
「ねぇ、今の声葉山だったってことはさ、女の人は……」
花梨が教室の方に視線を送りながら言う。
多分…というか、絶対もう一人の声は渡先輩だ。
泣いてるところからすると、喧嘩とかしてたんだと思う。
でも、渡先輩が教室から出て来る気配はない。
もうあと数分で完全下校時間になる。
早く帰らないと、先生に見つかったら大目玉だ。

