「キラキラしてるんです。年上に向かって言う言葉ではないかもしれないけど、凄く純粋なんだなって思います」


小学校の頃は、葉山に私を見て欲しいなんていう感情はなかった。

ただ近くで葉山の姿を見ていられたらそれで良かったんだけど。

葉山が小学校を卒業してからのなかなか会えない二年間で気持ちは大きく変わった。

今は、その瞳で私を見て欲しい。
そう思うようになっていたんだ。


「西條さんが羨ましいわ」

「羨ましい?」


先生が私を羨ましいって思うなんて意外だ。

だって、先生はスタイルが良くて綺麗で、皆に慕われるような素敵な人。

望めば何でも手に入りそうなのに、こんなちんちくりんで子供の私を羨ましいだなんて。


「西條さんは葉山君を純粋だって言うけど、西條さんも純粋でキラキラしてる」

「私がキラキラしてる?」

「知ってる?恋って女を輝かせるの。今のあなたは誰よりも綺麗で魅力的よ」


先生は艶やかに微笑むと、外に目を移した。

窓から白い日が差し込み、空は快晴。
花壇の花や木が太陽に向き、目一杯光を浴びている。


「あ!葉山だっ!」


校庭では制服のまま友達とバスケを楽しむ葉山が全力で笑っていた。

眩しい……
胸がキュンっと震える。

ずっと見ていたい。

葉山を見てるといつもそう思う。