「かり〜ん…っ!どうしたらいいのぉ…」
もうお手上げだ。
自分の行動に自分自身が驚いてるのに、これからどうすればいいの。
今日は絶対逃げない!隠れない!って思っても、いざ葉山を目の前にすると心臓が爆発しそうになって足が勝手に葉山とは逆方向に動く。
何を話したらいいのか、どこを見たらいいのか。
そんなことも分からないなんて…
「とにかく話し掛けてくれてるのに逃げたり無視したりするのは失礼」
「うん……」
「葉山はモテるんだから、ぐずぐずしてる時間はないよ」
そうなのだ。花梨の言う通り、葉山はモテる。
予想を遥かに超えるほどに。
明日にでも綺麗で可愛い彼女が出来ても全然おかしくない危険な状況。
というか、今いない方が奇跡に近いのに……
「まさかここまで葉山がモテるなんて予想外だった……小学生の時は葉山に彼女が出来るとか想像もしてなかったし」
「頭がお花畑で幼すぎ。葉山は二歳年上だよ?いつまでも小学生レベルの恋愛してたら、あっという間に掻っ攫われて終わるからね」
掻っ攫われる……
葉山に、彼女が……出来る。
そんなの、そんなの嫌だっ‼︎絶対に嫌だ。
「西條さんは凄く葉山君が好きなのね」
蒲田先生が書類を書いていた手を止めて、泣きべそをかく私を宥めるような優しい穏やかな声で言った。
私が葉山を好きな事、先生には当番初日に速攻バレた。
保健室の窓から葉山が校庭でバスケをしているのが見えて、思わず反応してしまったのがきっかけ。
それ以来、先生は良き恋の相談相手になってくれるんだ。
「先生。この子、小学校四年の時から片想いしてるんですよ。ここまで長いと怖いですよね」
「そうかしら。私は一途に想い続けるのは素敵なことだと思うわよ」
そう言って、先生は艶々の唇を上げてふふっと笑った。
優しくて生徒思い、それが蒲田先生の校内の評判だ。
薄い化粧にワイシャツと膝下のスカートスーツという一見地味な格好でも、蒲田先生は上品で綺麗に見える。
歳は二十代後半、これで独身というのは本当に信じられない。
もうお手上げだ。
自分の行動に自分自身が驚いてるのに、これからどうすればいいの。
今日は絶対逃げない!隠れない!って思っても、いざ葉山を目の前にすると心臓が爆発しそうになって足が勝手に葉山とは逆方向に動く。
何を話したらいいのか、どこを見たらいいのか。
そんなことも分からないなんて…
「とにかく話し掛けてくれてるのに逃げたり無視したりするのは失礼」
「うん……」
「葉山はモテるんだから、ぐずぐずしてる時間はないよ」
そうなのだ。花梨の言う通り、葉山はモテる。
予想を遥かに超えるほどに。
明日にでも綺麗で可愛い彼女が出来ても全然おかしくない危険な状況。
というか、今いない方が奇跡に近いのに……
「まさかここまで葉山がモテるなんて予想外だった……小学生の時は葉山に彼女が出来るとか想像もしてなかったし」
「頭がお花畑で幼すぎ。葉山は二歳年上だよ?いつまでも小学生レベルの恋愛してたら、あっという間に掻っ攫われて終わるからね」
掻っ攫われる……
葉山に、彼女が……出来る。
そんなの、そんなの嫌だっ‼︎絶対に嫌だ。
「西條さんは凄く葉山君が好きなのね」
蒲田先生が書類を書いていた手を止めて、泣きべそをかく私を宥めるような優しい穏やかな声で言った。
私が葉山を好きな事、先生には当番初日に速攻バレた。
保健室の窓から葉山が校庭でバスケをしているのが見えて、思わず反応してしまったのがきっかけ。
それ以来、先生は良き恋の相談相手になってくれるんだ。
「先生。この子、小学校四年の時から片想いしてるんですよ。ここまで長いと怖いですよね」
「そうかしら。私は一途に想い続けるのは素敵なことだと思うわよ」
そう言って、先生は艶々の唇を上げてふふっと笑った。
優しくて生徒思い、それが蒲田先生の校内の評判だ。
薄い化粧にワイシャツと膝下のスカートスーツという一見地味な格好でも、蒲田先生は上品で綺麗に見える。
歳は二十代後半、これで独身というのは本当に信じられない。

