未来郵便 〜15年越しのラブレター〜

あれから二週間、避けて逃げて隠れまくってたせいでまともに葉山とは話せずにいる。

幸か不幸か、学年が違うと校内で滅多に会うことはない。

学年の壁がこんなにも高いなんて思いもしなかった。

小学校の時は学年なんて関係なく、教室に行って話したり休み時間は外で一緒に遊んだりしたのに。

中学は全く違う。
上級生のクラスに行くなんて、まず無理。

そもそも上級生の教室がある階に下級生が足を踏み入れられる雰囲気なんてない。

同じ校内なのに、そこはまるで別世界なのだ。


私には時間がない。

ボサッとしてたらあっという間に一年なんて過ぎちゃう。

葉山が卒業したら今度こそ葉山とは離れ離れだ。


「あんな態度ばっか取ってたら嫌われるよ」


花梨が当番日誌を書きながら興味がなさそうに言うと、保健の蒲田先生がクスクス笑った。


私と花梨は保健委員になった。
今週は初めて回ってきた当番で、こうやって昼休みに保健室に来て先生の手伝いをしている。

保健日誌を付けたり、備品を補充したり、留守番したりするのが当番の仕事。

だけど、中学にもなると保健室を利用する生徒はなかなかおらず、自然と先生と談笑する時間になった。