一番前の席にはお母さんの姿がある。
目が合うと、お母さんは「おめでとう」と優しく微笑んだ。
潤んだ大きな瞳。
目元にはいつの間にか皺が出来、歳をとったなって思う。
でも、私が大好きな柔らかな目元は昔と何一つ変わってない。
小さい頃、お母さんに目元が似てるね、って言われるのが凄く嬉しかった。
そして、隣りで完璧にエスコートしてくれるお父さんを横目で見る。
さっきまで新婦の私より緊張でガチガチに固まってたくせに、今はそんな様子一切ない。
堂々と前を見て、一歩一歩ゆっくりと確実に。
私を送り出そうとしてくれてる。
優しくて面白くて、いつだって頼りになって、家族を大事にしてくれる人だった。
お父さんの大きな背中が大好きだった。
長いようで短かったバージンロード。
その終着地点で止まると、お父さんは私の手を取る。
手袋越しでも伝わる偉大な父親の温もり。
この手で私達家族を守ってくれたんだ。
感謝の気持ちが込み上げてくる。
「娘を宜しくお願いします」
「はい」
お父さんは私の手を葉山の手に重ねた。
穏やかな笑みを浮かべて私を見つめる葉山。
この六年、色んなことがあった。
もちろんそれは楽しいことばかりじゃない。
付き合い始めた翌年、葉山が海外に三年間の期限付きで転勤になった。
突然訪れた遠距離恋愛。
葉山が中学を卒業してから九年間、一切連絡も取らなかったあの日々に比べたら三年間なんて短い。
この転勤は葉山のキャリアアップに繋がる重要な三年。
私のことなんか構わず仕事に集中してほしい。
私は私で葉山に負けないように仕事頑張らなくちゃ。
そう思っていたのに、葉山が旅立った次の日にはもう寂しくて仕方がなかった。
目が合うと、お母さんは「おめでとう」と優しく微笑んだ。
潤んだ大きな瞳。
目元にはいつの間にか皺が出来、歳をとったなって思う。
でも、私が大好きな柔らかな目元は昔と何一つ変わってない。
小さい頃、お母さんに目元が似てるね、って言われるのが凄く嬉しかった。
そして、隣りで完璧にエスコートしてくれるお父さんを横目で見る。
さっきまで新婦の私より緊張でガチガチに固まってたくせに、今はそんな様子一切ない。
堂々と前を見て、一歩一歩ゆっくりと確実に。
私を送り出そうとしてくれてる。
優しくて面白くて、いつだって頼りになって、家族を大事にしてくれる人だった。
お父さんの大きな背中が大好きだった。
長いようで短かったバージンロード。
その終着地点で止まると、お父さんは私の手を取る。
手袋越しでも伝わる偉大な父親の温もり。
この手で私達家族を守ってくれたんだ。
感謝の気持ちが込み上げてくる。
「娘を宜しくお願いします」
「はい」
お父さんは私の手を葉山の手に重ねた。
穏やかな笑みを浮かべて私を見つめる葉山。
この六年、色んなことがあった。
もちろんそれは楽しいことばかりじゃない。
付き合い始めた翌年、葉山が海外に三年間の期限付きで転勤になった。
突然訪れた遠距離恋愛。
葉山が中学を卒業してから九年間、一切連絡も取らなかったあの日々に比べたら三年間なんて短い。
この転勤は葉山のキャリアアップに繋がる重要な三年。
私のことなんか構わず仕事に集中してほしい。
私は私で葉山に負けないように仕事頑張らなくちゃ。
そう思っていたのに、葉山が旅立った次の日にはもう寂しくて仕方がなかった。

