「お願いだから……私の中から、いなくなってよ……楽になりたいっ…」
しんと静まり返った踊り場に、私の涙声が響く。
ややな沈黙が流れ、それを破ったのは葉山の切なげな声だった。
「悪いけど、いなくなってやらない。楽にもさせてやれない」
「っっ…」
「素敵な人見つけたんじゃんって言ったよな。その通り。俺の中にはもうだいぶ前から心に決めた人がいる」
「知ってる……だから、」
「綾音だよ」
葉山は私の言葉を遮り、強く揺るぎない声で言った。
「はっ……何、言ってんの……?」
葉山が心に決めてる人は倉本さんでしょう?
またからかってるの?
私の反応見て楽しんでる?
葉山を見上げる。
葉山は至って真剣な表情だ。
私だけを真っ直ぐ見つめて一段、また一段とゆっくり降りてくる。
「俺の中にいるのは昔からお前だけだ」
「嘘……」
じゃあ倉本さんは?
私はまた自分に良いように解釈しようとしてるの?
「嘘じゃない」
「結婚は?」
「するよ。でも、倉本さんじゃない」
「じゃあ誰…?」
早鐘を打つ心臓。
ゆっくりと近付く私達の距離。
体だけじゃなく、心も。
一番幸せだった、文通してたあの頃よりも近く。
「昔から心に決めた人がいるって言ったろ」
「それじゃわかんないよ」
胸が苦しい……
体が、心が、私の全てが震えてる。
葉山を求めてる。
「俺は綾音とずっと一緒にいたい」
私の目の前で足を止めた葉山がふわりと愛おしげに笑った。
「綾音が好きだ」
夢を見てるのかな……
葉山が、私を好きだって言った……
しんと静まり返った踊り場に、私の涙声が響く。
ややな沈黙が流れ、それを破ったのは葉山の切なげな声だった。
「悪いけど、いなくなってやらない。楽にもさせてやれない」
「っっ…」
「素敵な人見つけたんじゃんって言ったよな。その通り。俺の中にはもうだいぶ前から心に決めた人がいる」
「知ってる……だから、」
「綾音だよ」
葉山は私の言葉を遮り、強く揺るぎない声で言った。
「はっ……何、言ってんの……?」
葉山が心に決めてる人は倉本さんでしょう?
またからかってるの?
私の反応見て楽しんでる?
葉山を見上げる。
葉山は至って真剣な表情だ。
私だけを真っ直ぐ見つめて一段、また一段とゆっくり降りてくる。
「俺の中にいるのは昔からお前だけだ」
「嘘……」
じゃあ倉本さんは?
私はまた自分に良いように解釈しようとしてるの?
「嘘じゃない」
「結婚は?」
「するよ。でも、倉本さんじゃない」
「じゃあ誰…?」
早鐘を打つ心臓。
ゆっくりと近付く私達の距離。
体だけじゃなく、心も。
一番幸せだった、文通してたあの頃よりも近く。
「昔から心に決めた人がいるって言ったろ」
「それじゃわかんないよ」
胸が苦しい……
体が、心が、私の全てが震えてる。
葉山を求めてる。
「俺は綾音とずっと一緒にいたい」
私の目の前で足を止めた葉山がふわりと愛おしげに笑った。
「綾音が好きだ」
夢を見てるのかな……
葉山が、私を好きだって言った……

