「なぁ、綾音。なんで部長なんだよ?」
「細井?」
真っ直ぐな黒い瞳が私を見上げる。
何度も見つめられた事があるのに、学生の頃とは全然違う。
力強く逞しい、芯の通った瞳だ。
細井が全く知らない男の人みたい。
困るよ……
頼りたくなる。
私、いつからこんなに弱くなっちゃったんだろう……
苦しくて、辛くて。
細井に縋ってしまいたいと、自分の手を細井の手に重ねようとしたその時。
「その手、離してくれる?」
息を切らした葉山の声が耳に届いて、ぴたっと動きを止めた。
細井は私に並ぶと、きつく葉山を睨みつける。
「部長にはそんな事言う権利ないですよ。何回綾音を泣かせれば気が済むんですか?もういい加減、綾音を解放して下さい」
「確かに、何回も泣かせてるかもしれないけど。でも俺はもう綾音を離すつもりはない」
離すつもりは、ない……?
葉山の言葉に、何かがぷちんと弾けた。
怒りも悲しみ、自分でもよくわからない色んな感情がふつふつと込み上げてくる。
「何それっ……私は葉山のおもちゃじゃないよ……」
「綾音?」
「私じゃ到底敵わないぐらい可愛らしい女性だった。素敵な人見つけたんじゃん」
「何言ってんだよ」
「それはこっちの台詞。倉本さんと結婚するんでしょ⁉︎あんな素敵な婚約者がいるのに、駄目じゃん。他の女に離すつもりないとか言っちゃ」
もうヤダ……
なんで部長なんだよ、って私が教えてほしいくらいだ。
やめられるならやめたい。
忘れられるなら忘れたい。
嫌いになれるなら嫌いになりたい。
でも、どんなに頑張っても時間が経っても、葉山を私の中から消し去ることが出来ない……
どうしたらいいのか、もうわからない。
「細井?」
真っ直ぐな黒い瞳が私を見上げる。
何度も見つめられた事があるのに、学生の頃とは全然違う。
力強く逞しい、芯の通った瞳だ。
細井が全く知らない男の人みたい。
困るよ……
頼りたくなる。
私、いつからこんなに弱くなっちゃったんだろう……
苦しくて、辛くて。
細井に縋ってしまいたいと、自分の手を細井の手に重ねようとしたその時。
「その手、離してくれる?」
息を切らした葉山の声が耳に届いて、ぴたっと動きを止めた。
細井は私に並ぶと、きつく葉山を睨みつける。
「部長にはそんな事言う権利ないですよ。何回綾音を泣かせれば気が済むんですか?もういい加減、綾音を解放して下さい」
「確かに、何回も泣かせてるかもしれないけど。でも俺はもう綾音を離すつもりはない」
離すつもりは、ない……?
葉山の言葉に、何かがぷちんと弾けた。
怒りも悲しみ、自分でもよくわからない色んな感情がふつふつと込み上げてくる。
「何それっ……私は葉山のおもちゃじゃないよ……」
「綾音?」
「私じゃ到底敵わないぐらい可愛らしい女性だった。素敵な人見つけたんじゃん」
「何言ってんだよ」
「それはこっちの台詞。倉本さんと結婚するんでしょ⁉︎あんな素敵な婚約者がいるのに、駄目じゃん。他の女に離すつもりないとか言っちゃ」
もうヤダ……
なんで部長なんだよ、って私が教えてほしいくらいだ。
やめられるならやめたい。
忘れられるなら忘れたい。
嫌いになれるなら嫌いになりたい。
でも、どんなに頑張っても時間が経っても、葉山を私の中から消し去ることが出来ない……
どうしたらいいのか、もうわからない。

