なんかこういうの久しぶりだな。
社会人になって不安ばかりだった。
しかも、葉山までいるし、この先私はどうなるんだろうって思ってたけど。
細井がいてくれると、少し心強い。
こうやって声出して笑うのって凄く大事だなって思った。
「営業一課、西條です」
入社して一ヶ月が経ったある日、内線が鳴って出てみると電話口から綺麗な女性の声が聞こえた。
【秘書課の倉本です。葉山さんいらっしゃいますか?】
「少々お待ちください」
葉山に電話を繋いで、パソコンに視線を戻す。
でも、ふと平野課長の言葉を思い出して、電話中の葉山に目を向けた。
確か、葉山の婚約者は秘書課だったっけ。
課長が相手は専務の愛娘って言ってたような。
専務の名前って……?
っていうか私、自分の会社の役員の名前どころか顔も知らない。
社長の顔は何となーく覚えてるんだけど……
「婚約者だよ」
無い頭で必死に思い出そうとしていると、突然耳元で悪魔の囁きが聞こえた。
「か、課長っ!」
驚いた。
いつの間に後ろにいたのよ……
「追い掛けなくていいの?」
「追い掛ける?」
「葉山のやつ、今婚約者に呼ばれて出てったよ」
平野課長に言われて視線を戻すと、さっきまで電話してたはずの葉山がいなくなってた。
「何で私が追い掛けるんですか?」
必死に冷静を装う。
正直、気になる。
葉山の婚約者がどんな人なのか。
綺麗な声だった。凄く透明感があって。
「顔に気になるって書いてある」
「……書いてません」
「へぇ。無理しちゃって」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる課長。
全てを見透かされてる気がするのは気のせいかな……
十も歳は離れてないと思うけど、これが年の功?
社会人になって不安ばかりだった。
しかも、葉山までいるし、この先私はどうなるんだろうって思ってたけど。
細井がいてくれると、少し心強い。
こうやって声出して笑うのって凄く大事だなって思った。
「営業一課、西條です」
入社して一ヶ月が経ったある日、内線が鳴って出てみると電話口から綺麗な女性の声が聞こえた。
【秘書課の倉本です。葉山さんいらっしゃいますか?】
「少々お待ちください」
葉山に電話を繋いで、パソコンに視線を戻す。
でも、ふと平野課長の言葉を思い出して、電話中の葉山に目を向けた。
確か、葉山の婚約者は秘書課だったっけ。
課長が相手は専務の愛娘って言ってたような。
専務の名前って……?
っていうか私、自分の会社の役員の名前どころか顔も知らない。
社長の顔は何となーく覚えてるんだけど……
「婚約者だよ」
無い頭で必死に思い出そうとしていると、突然耳元で悪魔の囁きが聞こえた。
「か、課長っ!」
驚いた。
いつの間に後ろにいたのよ……
「追い掛けなくていいの?」
「追い掛ける?」
「葉山のやつ、今婚約者に呼ばれて出てったよ」
平野課長に言われて視線を戻すと、さっきまで電話してたはずの葉山がいなくなってた。
「何で私が追い掛けるんですか?」
必死に冷静を装う。
正直、気になる。
葉山の婚約者がどんな人なのか。
綺麗な声だった。凄く透明感があって。
「顔に気になるって書いてある」
「……書いてません」
「へぇ。無理しちゃって」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる課長。
全てを見透かされてる気がするのは気のせいかな……
十も歳は離れてないと思うけど、これが年の功?

