しかもわたしはただ歩いているだけだというのに、相当な言い草だ。酷い。
「あははっ、杉崎チャン、なーんにもしてないのにかなり嫌われてるねー?」
「何もしてないって……」
自分がそう仕立て上げたくせに、よく言う。
その感想が思い切り顔に表れていたのか、ジョーさんは足取り軽くステップを踏みながら鼻歌すら口遊み愉しげな表情を浮かべる。
そこまでして壊れない玩具を手に入れたかったのか。
確かに彼等にとって学校という箱は刺激が足りないのだろうが、人で遊ぶのは流石に趣味が悪過ぎる。
「ジョー!」
最早教室に行く気にもなれず屋上に足を向かわせていれば、三階から四階に上がる踊り場に差し掛かった所で上から彼を呼ぶ声が一つあった。
りん、と鈴が鳴るかのような可愛らしい音だ。
立ち止まり、ジョーさんと一緒に顎を持ち上げる。
四階の窓から差し込んできた陽の光に一度目を細めて、それから逆光になっている其処を注視した。
(……ああ)

