「それにしても杉崎チャン、中々根性あンねー」
「は?」
「だーってフツー、俺等の誰かに目ェ付けられたって思ったら学校なんて来れなくなるよー?杉崎チャンのオトモダチ、みたいにネ?」
「いやー、もし仲良い子とかに裏切られたらそりゃーショックなのかもしれないですけど、入学してそんなに日も経ってないし見ず知らずの他人に攻撃されてるってだけの話ですしね」
ジョーさんが愉しげに目を眇めて、「へえ」と呟く。
それを横目に見届けながら、身体を翻した。恰(あたか)も当然の顔をして着いて来るジョーさん。態と歩くスピードを速めてみても、長い脚はいとも簡単にそれに追い付いてくるので力技で撒くのは諦めた。
「ちょっと何アレ」
「ジョーさん……」
「どうせ遊びの女でしょ?」
「にしては地味じゃない?ジョーさんがあんなのに靡くとは思えないけど」
「いや、違ェよ。アレ、ジョーさんに盾付いて今ターゲットになってる奴だろ」
廊下で擦れ違う生徒達が隠すつもりの無い噂話をしている。
残念ながらどうでもいい話は耳に入れないという都合の良い能力は備わっていない為、そんなに大声で話されては嫌でも耳に付いた。

