なりたがり



「そう言えば、君のオトモダチはー?」

「わたしには杉崎(すぎさき)雅っていう可憐な名前があるんですー」

「完璧名前負けしてるねー」

「酷いっ!親が付けてくれた素敵な名前なのにっ」


 土の付いた手を払いながら歩き出すと、何故だか長い脚が隣に並んだ。
 向かう方向が偶然一緒――という訳でもないらしい。ふと見上げた横顔が如何にも愉快そうに歪んでいたので、どうやらこれはわたしをで遊びたいだけらしいと悟った。


「近寄って来た女の子達をちょーっと小突いてみただけなんだけどさー、まさかホントにこんな事してくれるなんてねー?」


 新しい玩具を買って貰った子どものような顔をしている。
 それに少々げんなりしつつ、どうせ逃げても無駄なのだと諦めて自分のペースで歩き続けた。