朝登校すれば、机の中に置いてきていた筈の勉強道具一式がすっかり姿を消していた。教科書を始め、筆記用具やノート、机の中にあった筈の道具全てがだ。
そして探しに来てみれば教科書だけは見付かった。
焼却炉の前で無残な姿になって。
「……サイテー」
悔しくはない。
悲しくもない。
痛みなど一切無い。
実際に手を下しているのは彼等自身ではないだろう。彼等が直接手を出してきたにしては小さ過ぎる。果たしてこれは罰と呼んでいいものか。
社会的抹殺とはほど遠いそれに――それを恐怖して学校にすら来なくなったミキを憐れにすら感じてしまうだけだ。
「わーお、ソレ、どうしたの?」
校舎裏で一人しゃがみ込んで散らばった教科書を集めていれば、自分を覆うようにして現れた陰に自ずと眉間に力が入る。
このすらりと伸びたシルエットには嫌でも見覚えがあった。

