私は先輩の制服の裾をつかんだ
「あのっ…おはようございます
これ!読んでください!
あ…あと第二ボタンもらえませんかっっ?」
私の精一杯の声だったが
最後のほうはかすれていた気がする
「あ、はい。読みます」
そう言って手紙をうけっとた
「ボタンね。ベタだね
別にいいけどさ…あれ何に使うの?
女子の制服には使えないよ?
あと、いつ渡せばいい?
さすがに卒業式前にボタンはあげられない」
さすが先輩というような返答だった
「ボタンはお守りにします!
私…先輩のように頭がよくなりたいんです!
先輩からのプレゼントをもっていれば勉強頑張れるような気がして…
だからほしいんですっ!」
「僕のボタンを持っていても
頭はよくならないと思うけどね…
いいよ。あげる
でも、卒業式終了後は在校生はすぐに帰らなきゃいけないでしょ?
きっと、もう会えないと思うから
君の下駄箱にでも入れておくよ
何番??」
「えっと…0114です
あ…ありがとうございます!!」
「じゃあ、遅刻するからこれで」
そう言って先輩は行ってしまった
私がそのあと声にならない叫びで
階段を駆け上がったのは言うまでもない

