屋上に着いた。 私が追いついて、隣に並ぶまで待ってから南井くんが口を開いた。 「〝あきらめないから〟って、桜井さんの気持ちって言ってたよね?」 「うん」 その通りだから、頷く。 「俺に対してってことは、 俺のことあきらめないって意味?」 「そうだよ」 あきらめきれないよ。 もう少し告白するのが早かったら、 晴香ちゃんじゃなくて私を 選んでくれたかもしれないんだよ?