隠れてしまった。 これじゃあ、黒板に書いた文字を消せない。 でも、足音はだんだん遠ざかっていった。 よかった。 私はほっとした。 誰かに見られる前に、 やっぱり消してしまおう。 「南井 大輔くん、好きですby桜井 美亜」 と書いてある黒板を 黒板消しで、消し去った。 微かに黒板に残るチョークの跡は 私の想いを残すようで 思わず、跡すらもすべて消し去った。 私の想いは、まだ胸に留めておこう。